|
|
イラクでアメリカ軍やイギリス軍が、捕虜となったイラク人を虐待していた事実が発覚した。
事の是非は言うまでもない、両国軍ばかりではなく両国が責められることであり、的確で厳正な対応がなされるべきである。
テレビの画像では、イラク人が「アメリカの民主主義はこういうものだ。」とか、「これではフセインと変わらない。」とアメリカを非難しているのが印象的であった。
しかしまた、よく考えてみるとこの虐待事件を摘発したのはアメリカ軍自身であり、私はここにフセインの国と日本を含む西欧民主主義の国との顕著な違いを感じる。
いろいろな報道を総合すると、アグレイブの捕虜収容所長をつとめる女性の米国将軍(准将)が情報機関主導による虐待の事実をつかみ、調査し、摘発したものらしい。米英両国のマスメディアのニュースソースも、米国軍そのものであったと推測する。
こうしたことが、資本主義の国なのか社会主義の国か分からなくなってきている大国や、よその国の国民を拉致した国の政治体制に期待できるかというと、それは今しばらくは無理な話である。
今回の事件は米国の情報機関が主導したものと推測されているが、「情報機関」といえばそれはアメリカの場合はCIAだと思って間違いない。こういう情報機関は、軍隊とは違って手段を選ばず情報を入手するのが任務であるから、その任務の過程で人権を無視したやり方をするのは日常茶飯事である。この点は政治体制が違っていようが同じであろうが関係はない。そのことを容認することはできないが、国家間の対立と戦争が歴史の彼方に消え去るまではなくならないものと思う。
しかし、大事なことは、例え捕虜であろうとも、人権を無視する虐待や侮辱が行われても、それを非難し、告発し、糾弾する勇気を持った人たちがその彼らの社会の各層に存在し、また実際にそれを支えるシステムが機能していることである。
どっちみち、例外的に少数の政治体制を除いては、人権を無視する虐待や侮辱は公然と行われ得ない。それは、そうしたことを行う人が心やましいからである。それだけに、今回の事件が発覚した経緯には何かしら安心するところがある。
|
|